私は「自分の感性、自分の世界観を思う存分表現するあなただけのオリジナルネイルで、人の評価に左右されないぶれない自信が手に入る」というコンセプトでサロンを運営しています。

そこに至るまでに「私がネイルを通じてお客様に本当に提供したいことは何だろう？」と漠然と思っていた時期がありました。

でも、あるお客様との出会いで私のネイルに対するコンセプトがはっきりとしました。

私のサロンにいらっしゃる前のそのお客様は、気の合うネイリストさんがサロンを寿退社してからはなかなか気に入ったサロンが見つからなく、いわゆるネイルサロンジプシーでした。

これまで渡り歩いてきたネイルサロンで勧められるままに試した様々なジェルネイルの施術によって、爪が傷んで薄く折れやすくなったことで爪先が激痛になるなど、がっかりしたこともあったそうです。

綺麗になるためにネイルサロンに行っているのに、傷んだ爪やボロボロの指先を好きになれるはずもなく、むしろコンプレックスになるという悪循環。
そして自分らしさを出したくてネイルをするのに、みんなと同じ見本のネイルサンプルの中からしか選択肢がない。
ちょっと色やバランスを変更したくても受け付けてもらえない。
その場で思いついたアイディアも取り入れてもらえない。
理想のネイルにするためにプロとしてのアドバイスや提案もない。

お客様は、ネイルで実現させたい理想が叶わないことでどんどん自分の感性が閉じていき、自分らしさや自分が好きなものが何なのかもわからなくなっていきました。

指先にも自分自身にも自信が持てず、せめてコンプレックスを隠すためにブランド物の指輪をして指先を武装するようになり、いつしか多くを求めず、ネイルは自分が楽しむよりも人からなんとなく良く見られるためにするものになっていったそうです。

私はそのお客様のこれまでに感じてきた悩みや諦めの気持ちとしっかりと向き合い、とことん考えてみました。

ネイルで癒しや元気を与え、幸せになってもらいたいけど、それで終わりではない。
そしてネイルは決して単なる自己満足ではない。
では何をゴールとして意識すれば良いのか・・・。

私はもともとオープン当初から、ジェルネイルをしながら自爪を健康に育て、その場でお客様の理想のデザインを生み出しオリジナルネイルアートを創るネイルサロンとして運営してきました。

ある時、そのお客様からこう言われました。

「貴子さんにネイルをしてもらうようになってから自分に自信が持てるようになりました。」

そしてそれまでの人生が大きく変化したそうです。

「自分の指先に自信がなかった時は自信を補うためにブランド物の指輪を着けていたけど、自分の感性や価値観をネイルに描くようになったら自分に自信が持てるようになり、自分を思い切り表現する楽しさを知ってしまったので、いつの間にか人から良く見られるために着けていた指輪やアクセサリーに興味がなくなりました。」

という感想をいただき、サロンの方向性がはっきりとしました。

ただネイルを綺麗にしてテンション上がって終わり。ではなく、私は自分を表現するネイルによって忘れていた自信を取り戻し、前向きに生きる人を生みだしていきたい。

このお客様同様に、自分に自信が持てず、自分の好きなものや自分がどうありたいかがわからないまま過ごしている方の力になりたい。

自分の好きな世界を思う存分体現できる喜びと、心が解放される自由な感覚、そして自分を出せることがこんなにも自信に繋がるのだということを知ってもらいたい。

私はこのポリシーを大切に、これからもお客様の幸せに貢献していきます。